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2017年12月18日

ホラアナゴキブリ

寒風の吹く11月のある休日、とある森の中で地面に半ば埋もれた石を持ち上げてみたところ、石の裏に体長3-4mmほどの2匹の白い虫がいました。一匹はすぐ石から落ちて落ち葉の間に潜ってしまいましたが、もう一匹は石の表面を走り回っていました。
走る姿は筒わなによくいるサツマツチゴキブリの幼虫に似ていますが、ほっそりして棘の目立たない脚を持ち、やけに頭が大きく丸くてちょっとコオロギに似ています。写真に撮って、顔を拡大してみると、目がありません。いや、よく見ると細い線のようなものが…これが眼かな? この虫はひょっとしてホラアナゴキブリ?
念のため知人に写真を見てもらったところ、やはりホラアナゴキブリとのこと。目の小ささからメスのようです。ホラアナゴキブリの仲間は喜界島と沖永良部島~西表島から記録はあるけれども、奄美大島からは「公式の」分布記録はないそうです。図鑑等によれば、はじめ真洞穴性(洞窟の中にしかいない)昆虫と思われてこの名がついたけれども、実は川沿いの石の下や朽木、時にアリの巣などにもいるそうです。
奄美の森には、人知れず暮らしている虫がまだまだいるようです。
(写真を見ていただいたSさん、ありがとうございました。)

参考文献:
町田龍一郎監修、2016 日本産直翅類標準図鑑 (株)学研プラス
Asahina, S.1974 The Cavernicolous Cockroaches of the Ryukyu Islands. Mem. Natn. Sci. Mus., Tokyo, (7) 145-156

ホラアナゴキブリ

ホラアナゴキブリ

ホラアナゴキブリ
触角つけの右側の細い黒い線が複眼



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Posted by 奄美マングースバスターズ  at 18:50 │Comments(0)

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