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2014年12月12日

センサーカメラが捉えたコウモリとノネコ

奄美マングースバスターズではマングースを探知するため、森の中に1~2km2に一つの割合で自動撮影カメラ(センサーカメラ )を設置しています。


センサーカメラは熱を感知して作動するので、マングース以外の哺乳類や鳥類も撮影され、ときには思いがけない場面が撮れていることもあります。今回その中から2枚をご紹介します。




 一枚目の写真に写っているのは、オーストンオオアカゲラをくわえたノネコです。
 オーストンオオアカゲラは奄美大島だけに生息する国内希少野生動植物種です。国の天然記念物にも指定されている大型のキツツキで、ときどき地上の倒木を突いていることがあり、その姿がセンサーカメラに写っていることもあります。
 ノネコとは「常時山野等において専ら野生生物を捕食し生活している」ネコのことで、 食物を残飯など人に依存しているノラネコとは違います。いま奄美の森ではマングースだけではなく、多くのノネコによっても日々たくさんの小動物が食べられているのです。




 もう一枚の写真は、リュウキュウテングコウモリという奄美大島、徳之島、沖縄島の3島からのみ知られる固有種です。体長4~5cmほどの小さなコウモリで、樹洞がある太い木が生育している照葉樹林に生息しています。
 これまでにも飛んでいるコウモリが写っていたことはときどきあり、その中には顔が写って種名がわかる場合もありましたが、どれもピンボケの写真ばかりでした。今回は偶然にも顔にかなりピントの合った写真が撮れました。テングコウモリの仲間の特徴的な鼻の形もはっきりわかります。
 ちなみにこれまで名前がわかった写真はいずれもリュウキュウテングコウモリでした。カメラは1mほどの高さから斜め下に向けているので、この種はふだん森の中の低いところを飛び回っているようです。

どんな動物がどこでどのくらい写るかを分析することで、在来種の生息状況もわかります 。これまでの調査から、マングースが減ってきた事で、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミの分布がしだいに回復し、拡大している事が解ってきました。

○参考文献:
動物愛護管理法例研究会編, 2006 動物愛護管理業務必携 大成出版社
鳥獣保護管理研究会編, 2008 改訂4版 鳥獣保護法の解説 大成出版社



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Posted by 奄美マングースバスターズ  at 10:00Comments(0)マングースバスターズの仕事